エネルギー管理士インタビュー <第3回>      不動弘幸さん (兵庫県)

講師として最も幸せなことは、生徒からの合格の知らせ


あべのハルカスと 電線と 不動弘幸さん
あべのハルカスと 電線と 不動弘幸さん

 

不動弘幸さん

1947年 兵庫県洲本市生まれ

兵庫県洲本実業高等学校卒業

不動技術士事務所 代表

 

関西電力で配電や技術開発など、電気を中心とした技術系業務に携わりながら、講師やテキスト執筆でも活躍。

 

関西電力の子会社である関西テックへの出向転籍を経て、55才で独立開業。現在も、資格センターや多くの企業研修などで講師を務める。


プレゼンの準備を始める不動先生
プレゼンの準備を始める不動先生

- 先生、まずは関西電力や関西テックに所属されていた当時のお仕事内容を教えていただけますか。

 

(不動さん) 役に立つかと思って、これを持ってきたんですよ。去年、母校で講演したときのパワーポイントの資料を。

 


プロジェクターで壁に投影された資料
プロジェクターで壁に投影された資料

 

プロジェクターで壁にパワーポイントの資料(なんと100ページ以上!)を投影しながら、丁寧にご自身の経歴について説明いただきました。

 

その不動先生の経歴を下の表にまとめてみました。


 

 年 配属、仕事内容など
 1966
  • 関西電力入社
 1966-1967
  • 西宮営業所・検針業務
1967-1971
  • 淡路営業所 配電課
  • 第2種電気主任技術者試験合格 (1968)
  • 22kV配電の運転開始(上の写真)
  • 設計業務
1971-1973
  • 奨学生制度で休職、京都大学で聴講生
  • 研究を初めて経験する
  • 第1種電気主任技術者試験合格 (1973)
1973-1976
  • 神戸配電工事所
  • 25才で電験講師、電験3種の生徒・合格率65%
  • 設計5年のベテランに
  • 高校卒新入社員研修テキスト作成
1977-1984
  • 本店勤務、技術開発業務に従事
  • エネルギー管理士(電気)合格
  • 技術士(電気電子部門)試験合格 (1981)
1985-1986
  • 羽曳野営業所
  • 外線係長として設計の審査
  • TQC実務スタッフ
1986-1994
  • 本店、配電自動化業務に従事
1994-1997
  • 総合技術研究所
  • 大阪産業大学工学部 非常勤講師 (1996-1997)
1997-2000
  • 本店NCチーム
2000-2004
  • 関西テックに出向転籍
  • システムエンジニアリング部
  • エネルギー管理士(熱)合格
  • 技術士(総合技術監理部門)試験合格 (2002)
2004
  • 不動技術士事務所を開設
  • 講師業、執筆業

 



インタビューに応える不動先生
インタビューに応える不動先生

- エネルギー管理士の資格を取られた動機は?
 

(不動さん) 関西電力の本店に勤務して技術開発の仕事をしていたときに、エネルギー管理士制度が始まりました。当時、まだ新しい技術であった22kv配電を関西電力が導入していましたが、それも省エネの技術でした。


資格を取ったのは、何らかの形で省エネの役に立つと考えてのことでした。


- エネルギー管理士(熱)の資格もお持ちですよね?

 

(不動さん) 関西電力から関西テックに出向したときに、産業・IT担当の部長を務めました。産業では、熱も必要だろうと考えて、エネルギー管理士(熱)の資格を取りました。

 

- 電気はお得意だと思いますが、熱については?

 

(不動さん) 電験で勉強する範囲には、火力発電所、熱サイクル、機械、電気応用、熱工学などが含まれているので、いくらか馴染はありました。


- 独立開業について聞かせてください。

 

(不動さん) 55才で独立しました。講師業と執筆業で。企業研修の講師などもたくさんやりましたし、こちらの「資格センター」とも、その頃からのお付き合いです。

 

- その資格センターとは、どのようなご縁だったのでしょうか。

 

(不動さん) 大阪の工業高校OBの先生に教えてもらったんです。私は、44回も中央電気倶楽部で発表しているので、それでスカウトされたのです。


エネルギー管理士DVD講座の撮影現場
エネルギー管理士DVD講座の撮影現場

- 先生が、講師として心がけていることはありますか?


(不動さん) 講義の始まりに、生徒にいくつか質問をして、生徒のレベルを確認してから講義を始めることですね。


- DVD講座では、それができないので、やりにくくはないですか?


(不動さん) 最初は戸惑いましたが、もう慣れました。逆に、DVDの収録だと生徒がいないので、自分のペースで講義が出来て時間配分がうまくいきます。生徒がいるときも、うまく帳尻を合わせるようにしていますが。

 


写真撮影のためにわざわざポーズを取ってくださいました
写真撮影のためにわざわざポーズを取ってくださいました

- 講師をやっていて、うれしいことは何ですか?
 

(不動さん) それは、やっぱり、生徒さんから合格の知らせを聞くことですね。
 

先日も、試験に合格して、奥さんと一緒に御礼に来てくれた人がいました。また、私が25才で講師だったときの生徒さんが、後年、電験2種に合格して、今は娘さん(三重の高専で電験2種に合格)と一緒に電験1種を目指していると報告を受けました。


不動先生が執筆したエネルギー管理士のテキスト
不動先生が執筆したエネルギー管理士のテキスト

- 先生のテキストはとても好評ですが、その秘訣は何でしょう?

 

(不動さん) 自分自身は独学でやってきました。自分の経験上、ここが難しいと思ったところをもっとやさしく書けないかと配慮しています。
あまり難しくならずに、90点を取れるくらいのレベルで、学習の負担を減らすことを心掛けています。


- 先生が、これからやりたいことは何ですか?
 

(不動さん) 電験2種の1次と2次のテキストも書いているのですが、その完成度を上げたいですね。新しい内容にしたいです。それに、エネ管・電験2種・電験1種に関する電気数学の本も。
 

- 最後に、エネルギー管理士を目指す方へのメッセージをお願いします。
 

(不動さん) 省エネルギーは、国家的、世界的な課題です。皆さんには、省エネや地球温暖化対策について、より理解して欲しいですし、その一環としてエネルギー管理士の資格取得を目指してもらえれば良いと思います。電験3種の次のステップとしても。
 

(編集長) 不動先生、ご多忙のところ、インタビューにお応えいただきまして、誠にありがとうございました。


エネルギー管理士DVD講座の収録風景
エネルギー管理士DVD講座の収録風景

 

今回は、「資格センター」のご厚意により、DVD講座の撮影の合間を縫って、資格センター(大阪・天王寺)の教室をお借りして不動先生のインタビュー取材をさせていただきました。
 

後日、資格センターやエネルギー管理士講座の企画担当者の方への取材も予定しています。

<2018年8月23日掲載>